Trail Tank × CORDURA × Flip Lock

僕はポケット無しのシェルしか持ってなくて、というか、そうなっていきました。
コンパクトに収納できるから脱ぎ着で調整しやすいし、ポケットファスナーだけ傷むことが多かったからです。
小物はファニーパックにまとめた方が運用しやすい。

その延長で、下の流れが自然と成り立っています。

秋冬の山は、止まると寒い。
だから歩きながらやりたい。
そうするとウエスト側に物が集まり、小物が増える。
その状況に合う形として、Trail Tank を作りました。

CORDURA の選択

ヘビーデューティ寄りのファニーパックは、前からなんとなく考えていた。
擦れに強く、気を使わずに使える。
ウエストにつけるギアとは相性がいい。
物を入れるならしなやかさと強度が無いとまとまらない。

実際、使っていると外から当たる場面は普通にある。
落ち葉や泥や苔で足を取られることも多いし、藪では枯れ木に擦れる。
“気にしないで当たれる素材”は前から欲しかった。

ただ、ずっと軽量素材でファニーパックを作ってきた流れがあって、
CORDURAみたいなヘビー素材の“重さというかヤボったさ”がどうしても気になっていた。
それが悪い方向に出ると思い込んでいたので、しばらく触れずにいました。

Trail Tank × CORDURA × Flip Lock の噛み合い

Flip Lock に CORDURA を乗せてみたら、想像と違う“軽さ”を感じた。

Trail Tank の湾曲パネル構造は、荷重が一点に寄らず体側でまとまるフォーム。
そこに CORDURA のしなやかな張りが合わさると、
素材の厚みよりもフォームの安定が勝った。

Flip Lock で締めるとパックがまとまり、かさが減る。
体に吸い付くような収まりになって、動いた時の軽快さが出る。
CORDURAが“安定”として働くという、ちぐはぐなようで噛み合う現象が起きた。

使っていて「あ、こうなるのか」と思った“体感の発見”。

なぜこの組み合わせなのか(まとめ)

・CORDURA=環境の影響に耐えられる強さ
・Trail Tank=荷重が体側にまとめるフォーム
・Flip Lock=揺れを抑えるコントロール

この3つが同時に働くことで、
“ヘビーなのに、動きがライト”という使い方が成立した。

素材と構造と仕掛けが、それぞれ違う方向を向いているようで、
実際に使うと、まとまってしまう組み合わせだった。