Trail Tank Flip Lock

■ なぜ作ったのか

Trail Tank は、動きながら扱えるファニーパックとして作ってきたました。

その中で、「外付け」と「本体の厚み調整」 の両方を、

もっとシンプルにまとめたいと思いました。

行動中に一時的に挟む場面は多いし、

荷物量で本体の厚みも変わる。

その“行動中の微調整”をもっとラクにしたかった。

■ 形の理由(構造)

Flip Lock は、コード1本にまとめた拡張方法。

外付け・圧縮・解放が、ひとつの動作で完結。

本体は Trail Tank の立体カーブがベースになっていて、

軽く締めるだけで厚みが整い、体に沿ってブレにくい。

「コードでやってるのに安定する」のはこの形だから可能になった。

■ 使い方の幅

コードは面として働きます。

• 装備の一時ホールド

• 本体の厚み調整

• 歩行/下山での揺れを抑える微調整

Trail Tank の「動きながら扱える」という特徴を、

そのまま外側に広げた拡張面になっている。

装備や季節で用途が変わるし、

行動中の “とりあえずここに挟む” が全部できる。

フロントのコードは、背面側にも移動できます。

肩掛けで使うときや、フロントをすっきりさせたい場面では、
コードを背面に回すとフロントがすっきりし、背面で軽い一時固定にも使えます。

「フリップしてロック」できるのは、前後どちらでも使えるようにするための、もう一つの役割です。

■ まとめ

Flip Lock は、Trail Tank の使い勝手をそのまま拡張した形。

コード1本で、外付けと圧縮をまとめた。

行動中の小さな調整をシンプルに片付けるための仕様。

素早い解放をすべて コード1本 で扱えるようにしています。

本来ならバックパックのサイドに付くようなコンプレッションストラップを、形状に合わせてコード化しました。
軽く締めるだけで厚みが整い、動きのブレが減ります。

コードはつけっぱなしのままファスナー操作が可能で、
行動中でもアクセス性を損なわないのが特長です。

■ 気づき

フリップロックは、いくつかのお客さんの声と、

これまで作ってきたプロダクトがヒントになっています。

Fanny Pack Boost を出したとき、

「コードが藪で引っかかりませんか?」と聞かれたことがありました。

そのとき、夜の里山の藪を歩き回って検証してみました。

小ぶりなファニーパックでは影響はありませんでしたが、

想定外の場面をあらかじめ確認しておく大事さを感じました。

Puff Pack では、背面に簡易外付けコードを付けていました。

「背面コードが思いがけず要所要所で使えて便利」と言われたことがあります。

こうした声と経験が積み重なって、

フロントのコードを背面側にも回せる Flip Lock の構造に繋がりました。